レディネス診断をやりやすくするためのコツとして、「タスクのとらえ方」のポイントをお伝えしました。
- タスクは、リーダーとフォロアーですり合わせをしておくとレディネス診断がより正確になる。
- タスクは測定しやすいように行動で表現する(行動指標)。動詞で表現すると具体的になりやすい。
- タスクは、細分化するとレディネス診断しやすい。
- レディネスは、リーダーの視点とフォロアーの視点の両方からとらえる。
最初に掲げられた「その看護師さんのタスク」は以下の通りです。
- フィジカルアセスメント
- 呼吸器の解剖と整理
- 検査
- 代表疾患のフィジカルアセスメント
- 呼吸リハビリテーション患者教育
- 心理面への援助、倫理的問題
もちろんこのままでもいいのですが、レディネス診断をすることで「タスクが期待通り進められているか、完了したか」や、もし期待通りでなければ、「どの部分ができていないのか」、「どの部分を育成したらレディネスは向上するのか」などを知るためには、タスクを細分化させ、動詞で表現することが効果的です。
「タスクを細分化させ、動詞で表現すること」で、以下のような表現になりました(一部のみ掲載)。
フィジカルアセスメント スクリーニング
□ 基本情報のインタビューをする
□ 一般状態の観察をする
システムレビュー
このようにタスクを行動指標で示すと、レディネスの「能力が高い・低い(知識、経験、スキルが多い、少ない)」や「意欲が高い・低い(自信、関心、動機が高い、低い)」の測定が容易になります。強みと弱みが明確になります。
質問者からは、もう一点「リーダーによるレディネス診断だけでは不足か?」というご質問がありました。
「リーダーによるレディネス診断だけ」でももちろんひとつの情報として有効です。レディネス診断をまったくしないよりは、考える材料ができます。しかし、リーダーシップの効果性を左右するのは、フォロアーが効果的に(持続的に)動くかどうかです。フォロアーの能力や意欲がどのような状態なのかを知ることが重要です。
リーダーとフォロアーがともにレディネス診断すれば、どこにどれだけ「本当の」ギャップがあるかわかります。