2014年12月3日水曜日

研究ノート新刊のご案内


閉塞社会に風穴を開ける 「管理のダイナミズムとイノベーション」
リーダーシップ研究大学(院)教授、博士 橋本壽之著
http://www.dlmarket.jp/products/detail/288211

 商品説明

規則を守らずに事故を起こすと、管理の徹底、厳格化が叫ばれる。その一方、イノベーションが起こらないと、管理過剰だ、と言われる。また、組織の中には、自由に生き生きとダイナミックに活動して成果を上げる組織もあれば、厳しく管理しても成果を出せない組織もある。更に、近年は過去の成功パターンをしっかり踏襲して管理しても成功しない、変革の時代である、とも言われる。
 それでは、管理はどのように行われるべきか、またそれはリーダーシップ、イノベーションとどのように関わるかについて考えたい。

 ところで、昨今の世情をにぎわす議論は、賛成か反対か、右か左かという2者択一的な答えを求める風潮にあることは否めない。背反する中から一つを選ぶことは、安易かつ単純明快で分かりやすい。ところが、現実は次元の異なるいろいろな要因が絡み合うため、2者択一的な割り切りで解決することには無理がある。かと言って、逡巡して徒に結論を先延ばしすれば、混迷を深めて解決をますます難しくするだけである。

 これらのこと考え合わせると、現代求められていることは、2者択一的な選択とかハウツーといった皮相的な思考ではなく、直面する問題に対し持てる知識や経験を総動員して本質を見極め、これまで経験しなかったような最適解を見出し、イノベーションを起こす「知的創造」に行き着く。

 そして、このような知的創造は、先ずは問題の本質を的確に把握し、仮説を設けて検証し、解決策を見出すことから生まれる。このためには、関連する要因を抽象化して整理し、視覚化して俯瞰することができれば、解決策を見出すだけでなく、他者と思考を共有する上でも役立つ、と考える。そこで、本書では視覚化・俯瞰化の手段として表現が容易なマトリクスを用いることにする。このメソッドは、物事の本質を掴みイノベーションを起こすことがますます強く求められるリーダーにとって、非常に役立つと考え、特に「マトリクス・リーダーシップ」と呼ぶことにする。 

目次
まえがき
1. 問題意識
2. 仮説
3. 事例とその分析
3.1. ハーバード大学の入学試験
3.2. 目先の利益より伝統や社会的なトレンドを重視
3.3. 型破りの利根川の上司
3.4. 権威主義によらない対等な扱い
3.5. 研究室の80%のひとはいなくてもいい
3.6. 優秀な弟子を敢えて手放す
3.7. 異論を許容する
3.8. 豊富なオプションの中から最適解は得られる
3.9. 型破りな創造性 20%ドクトリン
3.10. 隠れた脳の働き
3.11. 管理のダイナミズムとイノベーション
4. あとがき