「12のリーダーシップ・ストーリー」の共著者である大学4年生(当時)中山さんと小川さんの記事から
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「人間としての成長に近道はない」人生の指針を胸に、ひたすらに前へ
(2016年5月6日掲載) 中山 雅一(法学部 2016年3月卒業)より!
中山さんは在学中、友人たちと学内にリーダーシップ・プラットフォーム(LP)という組織を設立し、LPの活動の延長線上でカルフォルニア拠点のインターネット大学であるリーダーシップ研究大学の研究員になり、網あづさ主任教授と共著で本も出版しました。今回は中山さんの考える“リーダーシップ”やバングラデシュでの日々など在学中の取り組みについて話を聞きました。
まずは本の発刊、おめでとうございました!
ありがとうございます。リーダーシップ研究大学の網先生と共著で「12のリーダーシップストーリー~課題は状況対応リーダーシップで乗り切れ~」を本年1月生産性出版から発刊しました。
リーダーシップ・プラットフォームでの活動、そしてバングラデシュのプロジェクトを通して確信した“誰もがリーダーシップを発揮できる”というメッセージを伝えることを目的として出版しました。日本では、リーダーシップというと、管理職の人や特定の地位にいる人が発揮するものというイメージが強いですが、そのようなポジションパワーがなくてもリーダーシップを取ることは可能です。なぜならば、リーダーシップは自分で体得することができるスキルだからです。
南アフリカでの小川優さん
小川さんはリーダーシップ・プラットフォームで共に学んだ仲間です。昨年2015年は国際女性会議Girls20に日本代表として参加しました。また、Girls20参加に先駆けて行った南アフリカでのインターンシップではリーダーシップ理論を活かしてプロジェクトを成功させています。
リーダーシップ理論を見事に実践の場で活かしてくれたことを嬉しく思っています。
バングラデシュの海岸
わかりました。先ほども少し説明しましたが、リーダーシップはスキルです。ですので、理論を理解したうえで実践に活かせば、誰でも、周りの人間を変えることができるのです。
リーダーシップ・プラットフォームで私達が学んでいた理論の一つに「状況対応リーダーシップ」というものがあります。これは、人を育てるためのリーダーシップ理論の一つで、ある一つのタスクに対するフォロワーの能力と意欲や自信を定量的に測定し、その状態(readiness)に最も適したリーダーシップスタイルを選択するというものです。
具体例を挙げると、私がバングラデシュで働いていた時、担当していたシステム開発のプロジェクトで二つのタスクがあり、それを一人の女性バングラデシュ人エンジニアにやってもらう必要がありました。しかし、Aというタスクに関しては、彼女は能力も意欲も十分でしたが、Bというタスクに関してははじめての経験だったことから能力も自信もあまり無い状態でした。
ここで両方のタスクに対する指示を同じように行ってしまってはどちらかのタスクを遅延させてしまったり成果物の品質を落としたりする可能性が高まり、結果としてフォロワーからの信頼も失うというリーダーシップの失敗が起こります。ゆえにリーダーは理論に照らしてフォロワーのタスクごとのレディネスに合致するリーダーシップスタイルをとる必要があり、私自身も実際のバングラデシュでのプロジェクトでその点を意識していました。
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本書の特徴
本書が目指すのは、知識を行動に変え、それぞれの状況に応じて、「だれもが効果的なリーダーシップを発揮する」ことだ。そのためにはまず、リーダーシップの理論に関する知識が必須である。理論の学習には行動科学の先行研究が役に立つ。
実際、本書の理論面のベースは、行動科学のバイブルと評される『行動科学の展開』(ハーシィ、ブランチャード、ジョンソン共著、生産性出版)で、同署は時代にあわせて必要な改訂を行ない、初版から40年近く世界で売れ続けているロングセラーだ。
本書では、行動科学の理論を押さえつつ、なぜ人は動くのか(Why)、なにをすべきか(What)、どうすべきか(How)を重視して、「だれもが使える効果的なリーダーシップ」のあり方について、12の身近なストーリーをもとに考えていく構成とした。
12のストーリーは「進化する教科書」チームメンバーが、社内会議や創造問題、イベント企画、NPO活動などについて綴ったものだが、どんな状況に直面しても応用できる、「人との付き合い方」、「ものの考え方」など、リーダーシップ発揮に求められるヒントをつかめるものと思う。(2016年3月15日 生産性新聞より抜粋、網あづさ)
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