2013年7月29日月曜日

「共にある」トレーナーをめざす


「教育コンサルタントの自画像-リーダーシップ研究大学・CLS Japan本部 主席研究員・S.L.専属トレーナー 桃井庸介」「企業と人材」誌2013年8月号より抜粋

・・・柳原先生の言葉をきっかけに、研修トレーナーとしての姿勢を見直すとともに、リーダーシップの学習にさらに力を注ぐようになりました。その1つは、研修の場における学習者との対話です。もう一つは、リーダーシップ研究大学での学習です。

●リーダーシップをどのように学ぶか
神戸大学の金井壽宏教授は、その著「リーダーシップ入門」の中で、「リーダーシップを探し求める意味深さは、理論と現実、原理・原則と経験とを結びつけるときに生まれる」と述べています。(金井壽宏 「リーダーシップ入門」日本経済新聞社)。私は次のように理解しています。リーダーシップは奥の深いテーマですが、自身の経験、見聞きした事例を理論をもとに考え、分析し、具体的な行動に理論的解釈を付加する過程で少しずつ奥深さに触れていくことに意味深さがあり、喜びを感じることが出来るのではないかと。

また、同書の中でアージリスの主張も紹介されていますが、アージリスは、アクションに結びつかない学習は無力だし、学習の仕方そのものがうまくなったつもりでも、アクションそのものが硬直していれば学習に意味はないと主張しています。

●アクションと結びついた学習の場
一昨年から取り組んでいるリーダーシップ研究大学での学びは、まさに金井教授らが主張している学び方です。理論を要約し、関連すると思われる事例を探し求め、理論で説明するという学習方式で、過去に遡って理論と事例を結びつける過程で多くの人間関係スキルの学びを深めています。

研修の場ではアージリスが主張するアクションと結びつけて学習する場を作る努力をしています。WBSでの横山氏の授業のように、学習者が現実の職場で経験している人間関係やリーダーシップの問題をS.L.モデルで考え、意見交換し、改善行動を見出すお手伝いをしています。 

これからの取り組みとして、リーダーシップやコミュニケーション・スキルをわくわくしながら学習できる「研修ゲームの開発」や「気楽な学習コミュニティ活動」に力を注ぎ、多くの人と学びを共有することを通して人材育成に貢献できればと思っています。・・・